TOKYO COFFEE FESTIVAL @UNU

BOOK TRUCKが選ぶ、梅雨にコーヒーと読みたい本

2017.06.24

TOKYO COFFEE FESTIVAL 2017 summerに出店する移動式本屋「BOOK TRUCK」に、「梅雨にコーヒーと読みたい本」というテーマで3冊選書していただたきました!すべてイベント当日お店で購入可能です。

 

『方舟』
しりあがり寿

鬼才・しりあがり寿が、雨が止まなくなった世界を描いた隠れた大傑作。真綿で首を絞めるようにヒタヒタと忍び寄る終末を前に、多くの人は事態を楽観し、一部のパニックになる人を冷めた目で眺めます。しかし、多くの人が事態の深刻さに気付いた時にはもう後の祭り。もちろん雨は忍び寄る危機のメタファーで、北朝鮮問題や原発問題と置き換え可能なことは言うまでもありません。シトシトと降り続く雨の日に本書を読みながら、この雨止まなかったらどうしようと妄想してみるのも面白いかもしれませんね。

『最後の瞬間のすごく大きな変化』
グレイス・ペイリー

たった3冊の短篇集で、半世紀以上も圧倒的支持と尊敬を受けつづけている、アメリカの伝説的な女性作家・グレイス・ペイリー。日常の中に潜む違和感というか苦味のようなものをすくい取った17の独立した短編からなる短編集ですが、最終的には全てが響きあい一つの長編小説を読んだような心地に!村上春樹による絶妙に軽やかな翻訳も素晴らしいです。雨に日に読む物語は、こういった何度も噛み締めたくなるほど味わい深い小説がオススメです。

『新装版 世界は小さな祝祭であふれている』
小野博

世界70ヶ国、100都市を歩いて、東京からアムステルダムに移り住んだ写真家・小野博が等身大の言葉で綴ったエッセイ&写真集。世界中のいたるところに遍在している幸福の瞬間を、心にすっと沁みこむ素朴な味わいのある言葉と、ハッと息を飲む美しい写真で丁寧に切り取っています。読後はきっと世界が今までよりちょっとだけ輝いて見えますよ。雨で気分が沈みがちの時にオススメです。